皆様お疲れ様です🙇
元JRA美浦トレセン調教助手のリーファです😊
度々輸送について質問が来るのでブログに書いておこうと思います😚。但し僕の経験して来た事を元に書いてますのでご了承ください🙇。
【長距離輸送】についてのお話
先ず先に美浦トレセンから各競馬場への輸送時間を知って貰っておくと良いと思います。
美浦トレセンからの輸送時間（概ね）
⇩
中山競馬場（１時間半）
東京競馬場（2時間）
福島競馬場（4時間半）
新潟競馬場（6時間）
中京競馬場（6時間半）
京都競馬場（9時間）
阪神競馬場（１０時間）
小倉競馬場（１７時間）
函館競馬場（１８時間）
札幌競馬場（２４時間）
※札幌、函館は青森から函館までフェリーを使います。
各競馬場への所要時間はこんな感じです。東京競馬場と中山競馬場以外は当日に輸送して競馬を使う事はありません。逆に東京、中山については、当日輸送する厩舎がほとんどで、輸送する前に厩舎作業や競馬を使ってない担当馬の世話をしてから競馬場に向かう事になります。又、道路事情や立地の関係上栗東トレセンから輸送する馬の場合は北海道以外なら美浦の馬よりも輸送時間が短いので輸送への負担は少ないように感じます。（例、栗東トレセンから東京、中山競馬場までは約６～７時間、小倉競馬場までは約８時間で美浦トレセンからの輸送時間と差があります）。
ここからは本題の長距離輸送についてお話させてもらいます。基本的に輸送すると馬はストレスが掛かり免疫機能が低下すると言われてます。しかも1時間辺り体重の0.5％減ると言われてるので輸送時間が長くなればなるほど、体重も減る事になります。その他に輸送熱と言われてるものがあり、輸送によって発熱を起こし、酷くなると肺炎へと進行する場合もあります。実際の所美浦トレセンから北海道と小倉競馬場に輸送する場合は輸送熱を予防する注射を打ってから輸送する馬は多いと思います。但し人間と同じように個体差でストレスの掛かり方や輸送熱への対応力は異なります。最近は高速道路の整備や馬運車の進化によって昔よりは輸送で病気になる馬は減っているように感じます。
最近の競走馬は昔の競走馬よりも小さい頃から輸送する機会が増えており輸送慣れしてる馬も多くなって来てます。輸送に慣れていると厩舎サイドとしては凄く有難く調整する上でも楽になります。それでも長距離輸送ともなれば厩舎では様々な工夫をして輸送に対応しています。神経質な馬にはメンコを２重にしたり、耳の所だけを生地の厚い物にして音を遮断したりしてます。その他では免疫力低下を軽減するサプリメント等を与えている厩舎もあります。あとは、ケガを防止する意味で四肢には輸送専用のプロテクターを付けて輸送します。また、調教の段階から輸送でこのくらい体重が減るのではないかと計算しながら追い切りをしてる場合もあり長距離輸送する時の調整は普段より神経を使います。馬体重の維持とリラックスさせるために馬運車の中で飼い葉や乾草を食べさせる事も多いです。このように厩舎スタッフは長距離輸送の時は色々と工夫しながら競馬当日にベスト体重になるように努力をしています。基本的に輸送する時は４頭積みが基本で牡馬と牝馬が一緒に輸送する場合は前側が牡馬、後ろ側が牝馬となってます。ただ厩務員さんの要望や調教師さんからの指示で馬っけが強い馬などは牡馬だけの馬運車に乗せる場面もあります。因みに美浦と栗東では馬運車の会社の選択方法が異なります。美浦は日本馬匹と東都運輸と関東馬匹の3社で輸送をし厩舎で馬運会社と契約する事はないです。一方栗東の場合は詳しくはわからないですが、厩舎単位で馬運会社と契約をして馬運会社も美浦よりも沢山あるようです。競馬を使う場合の輸送費はブロック制以外の場合は競馬会が負担し年間５０～６０億円かかってると言われています。ブロック制はまた、違う機会に説明しようと思います。
以上輸送に関してのお話でした😊。
※是非下の漫画もよろしくお願いします🙇。
【PR競馬漫画 『追い切り３頭併せ～馬のために走り出せ～』】１度読んでいただけると幸いです🙇
何かと最近話題の多いトレセンを舞台とした漫画です。この漫画でしか知りえないトレセンの仕事内容や裏側をリアルに描いてます。トレセンでの日常はTwitterやブログだけでは伝えきれない事が多く、謎に包まれているのも事実です。１人の新人厩務員（安住真治）を通してトレセンの日常を面白おかしく描いてます。ウマ娘世代から玄人ファンまで幅広い世代に読んでいただきたいと思います。原案は元JRA調教助手の私が担当し漫画は高草木こぶが担当してます。競馬愛ある2人で作り上げた漫画なのできっと競馬の楽しさや奥深さを知れると漫画だと思います。是非一度読んでください。尚、配信はkindle、コミックシーモア、アップルブック等１４６の配信会社から電子書籍として配信されてます。どうぞよろしくお願い致します🙇😊。
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