皆様お疲れ様です🙇
元JRA美浦トレセン調教助手のリーファです🏇
今日は昨日のスキルヴィングの一件で心不全が話題になってるので心不全についてお話しようかと思います。ただ、病気の事よりも最近言われてる因果関係について個人的見解を述べたいと思います。
【心不全と飼い葉の関係性】について
今回のダービーでスキルヴィングがゴール後に倒れるという衝撃的なシーンがSNS上に流れ、驚かれた人も多いと思います。恐らくレース中のどこかで心不全を発症し本能でゴールまでは何とか走って来たのではないのかと推測します。その後ゴール過ぎでジョッキーが異変に気づき下馬した後に力尽きて倒れ、衝撃的なシーンになったと思います。しかもジョッキーが降りた瞬間に倒れたので、ある意味ジョッキーを自ら守った形にもなり、馬の事を思うと痛ましくてなりません。過去に僕のいた厩舎でも心不全を発症しレース中に倒れた馬もいました。その時はレース中だったのでジョッキーともども倒れ、馬は動かなくなりジョッキーもそのまま地面に叩きつけられ大怪我をしました。心不全や心房細動など心臓系の病気は前ぶれがなく突然発症するので本当にビックリします。言い方は悪いですが、今回はレース中に倒れるのではなくゴール後下馬した後だったのは不幸中の幸いだったと思います。しかも昨日は、気温も上昇して色々と体に負担が掛かったのも要因ではないかと思ってます。
心不全は心房細動とは違い心臓が正常に働かなくなり体に血液を送れなくなってしまう病気ですが、最近よく言われてるのが、飼い葉のカロリー高が原因ではないのかと言われています。ただ、最近の競走馬はカロリーが高い飼い葉を与えなければならない事情もあると個人的には思ってます。
僕が競馬場に入った30年前と今では明らかに馬の運動量が違います。前運動、馬場でのトレーニング、クーリングダウン等、厩舎によってはその他プールや午後運動などトータル的に時間をタップリと使い運動量を増やして鍛えています。昔は競走馬はただの競馬馬にしか過ぎなかったですが、今は完全なるアスリートとして扱ってるような気はします。昔のような飼い葉では今のトレーニング方法について行けなくなり体重もどんどんと減って体質強化になりません。もし、飼い葉と心不全の因果関係が本当にあるなら昔のような調教方と飼い葉に戻せば問題は解決すると思いますが、今のように日本馬が世界レベルで活躍する事はなくなると思います。勿論競走馬は生き物なのでそれだけが原因で心不全になるとは思わないですが、トレーニング方法が進化すれば食べる物も研究され良い物を与えるのが普通でありアスリートとしては当たり前の事だと思います。この先色々と研究されより良い飼い葉とトレーニング方法が編み出されて行けば今回みたいな事故は減る可能性は高い気はします。更にG1レースになると厩舎サイドも極限状態の仕上げをしてくるので馬への負担が大きくなるのは、現実問題あると思います。これからも競馬を見てると色々な場面に遭遇すると思いますが、常に競走馬はひたむきに走っている事だけは忘れないで欲しいと思います。
最後に一言。
厩務員さんや厩舎スタッフは年中付きっきりで担当馬を世話をし、苦楽を共にして競走馬と接しています。僕が今まで見て来た厩務員さんも自分の馬が予後不良になると涙を浮かべる人も多く愛馬心ある人が凄く多いです。今回のスキルヴィングの担当者さんも同じ心境だと思います。確かに競馬はギャンブルではありますが、走ってるのは生き物であり、世話をしてくれる人がいないと競馬も楽しめないと思います。馬券馬券と言ってる人にも今回の件をきっかけに、少しでも理解されると嬉しく思います。
【PR競馬漫画 『追い切り3頭併せ~馬のために走り出せ~』】1度読んでいただけると幸いです🙇😍
何かと最近話題の多いトレセンを舞台とした漫画です。この漫画でしか知りえないトレセンの仕事内容や裏側をリアルに描いてます。トレセンでの日常はTwitterやブログだけでは伝えきれない事が多く、謎に包まれているのも事実です。1人の新人厩務員(安住真治)を通してトレセンの日常を面白おかしく描いてます。ウマ娘世代から玄人ファンまで幅広い世代に読んでいただきたいと思います。原案は元JRA調教助手の私が担当し漫画は高草木こぶが担当してます。競馬愛ある2人で作り上げた漫画なのできっと競馬の楽しさや奥深さを知れると漫画だと思います。是非一度読んでください。尚、配信はkindle、コミックシーモア、アップルブック等146の配信会社から電子書籍として配信されてます。どうぞよろしくお願い致します🙇😊。
Kindle
DMMブックス
https://book.dmm.com/product/4300152/k804annbn07550/?i3_ref=search&i3_ord=1