皆様お疲れ様です。
元々JRA美浦トレセン調教助手のリーファです。
JRAの若手ジョッキーの騎乗停止について少しお話させてもらいます。
要点は気になる2点だけに絞ってお話したいと思います。
【若手ジョッキーの携帯電話使用(騎乗停止)】について
今回若手ジョッキーが調整ルームへの携帯持ち込みと使用で騎乗停止1ヶ月の処分が下されました。これに伴いネット上では様々な意見や厳しい批判などが飛び交ってます。僕個人としては色々と考える事もありますが、推移を見守りながら反省して貰い、従来通りターフに戻って来て貰えればと思ってます。更に良い騎乗するのがジョッキーとして、ファンへの恩返しだとも考えておりました。しかし、Twitterのフォロワーさん数名から立て続けに今回の問題についてリーファさんの見解や解説をして欲しいとのDMが来たのでこの場を借りて、少しだけ個人的意見を述べさせてもらおうかと思います。
※調整ルームは必要なのか?
先ず今回の件で問題となってる調整ルームの是非ですが、ネット上では調整ルームが今の時代に合ってなく若者にはそぐわない制度ではないのか?等の意見もあるようですが、僕個人としては日本の競馬には絶対必要な施設であり大切な制度だと考えています。海外の競馬には調整ルームはなくレースの数時間前に到着していれば何も問題ない所が多いです。ただ日本と海外では公営ギャンブルの環境が全く違うように感じます。海外では競馬以外の公営競技が少なく競馬の立ち位置も違うように感じます。日本では競馬以外に競輪、競艇、オートレースがあり、競馬以外にも公営ギャンブルが凄く多いです。全部合わせると全国で80以上の施設があり毎日のように何処かで何かしらの公営競技が行われています。この狭い日本にこれだけの公営競技がある国は他はではないような気がします。それだけ日本では公営競技が根付き海外とは競馬に対する意味合いも違うように思えます。欧米諸国では競馬はギャンブル要素よりも社交場や憩いの場の要素が強く、伝統的なしきたりも日本競馬とは違うと感じます。日本ではギャンブル要素が強い観点から、八百長防止の為に調整ルームは絶対に必要ですし、なくさないで欲しいと思ってます。競馬だけが調整ルームをなくしてしまうと他の公営競技とのバランスも悪くなり八百長が疑われる競技になると危惧します。先日のタイトルホルダーの件の時にも、売り上げの為にJRAの命令でジョッキーは無理矢理出走させられたと言ってる人がいるくらい何かしらの疑いを持つ人も、今だにいるくらいです。そのような観点からも日本競馬では調整ルームが必要ですし、調整ルームがある事でファンも安心して楽しめると僕は思います。逆に調整ルームがなく八百長が疑われるようになれば売り上げも落ちると感じます。是非このまま調整ルームは維持して欲しいと個人的には思ってます。
※携帯電話使用
問題の携帯電話使用については率直な意見としては、認識の違い等、色々とジョッキーと競馬会が言ってすが若手ジョッキーも馬鹿ではないので持ち込む事自体が違反だと知っての行為だと思います。過去にもソレがバレて処分されてるジョッキーがいるので余計にその辺は認識していたと思います。しかも今回は仲のいい若手ジョッキーだけが使用しているので仲間うちで持ち込んでも大丈夫だよとなったのではないかと推測します。Z世代だから生まれた時から携帯が身近なので持ち込む事に抵抗がないのではと見解してるメディアもありましたが、それはないと思います。言い方は悪いですが、今の若手ジョッキーは昔のジョッキーよりも賢い子が多く頭も良いです。ある意味確信犯だと個人的には思ってます。
何はともあれ反省して同じ過ちを侵さない事が大事です。もしルールを改善したいのなら騎手会や競馬会に新しい制度を提案し行動するのも手だと思います。ただ個人的には現行通りの規定がファンの方も納得できるのではないかと考えます。また、JRAの処分内容と監督が甘いとの意見が多いようですが、処分内容については前例を元に主催者側が決める事であって我々が色々言っても仕方無いと思います。ただ個人的には他の公営競技と比べると甘めだとは感じます。監督不行届についてはある程度の監督は必要だと思いますが、逆に今の調整ルームの制度は一昔よりも時間などのルールも緩くなっておりジョッキー1人1人が自覚を持って行動できるように配慮されてると感じます。
※最後に
人間誰しも叩けばホコリが出るというくらい、出ない人間なんていないと僕は思ってます。僕も叩けばホコリは出る人間です。誰しも生きていれば一度くらい過ちを犯した事はあるように感じます。
批判するのは多いにけっこうな事でありプロとして批判されてこその世界だと思います。今後プロとしての自覚がない行動をした時は咤激励をし応援して貰えればと思います。
こんな偉そうな事が言える人間では絶対にないですが、色々と言ってすいませんでした。
まだ先のある有望なジョッキーなので温かく見守って貰えれば幸いです。
また、この事については土曜日のTwitter上のスペースでお話したいと思います。
【PR競馬漫画 『追い切り3頭併せ~馬のために走り出せ~』】1度読んでいただけると幸いです
何かと最近話題の多いトレセンを舞台とした漫画です。この漫画でしか知りえないトレセンの仕事内容や裏側をリアルに描いてます。トレセンでの日常はTwitterやブログだけでは伝えきれない事が多く、謎に包まれているのも事実です。1人の新人厩務員(安住真治)を通してトレセンの日常を面白おかしく描いてます。ウマ娘世代から玄人ファンまで幅広い世代に読んでいただきたいと思います。原案は元JRA調教助手の私が担当し漫画は高草木こぶが担当してます。競馬愛ある2人で作り上げた漫画なのできっと競馬の楽しさや奥深さを知れると漫画だと思います。是非一度読んでください。尚、配信はkindle、コミックシーモア、アップルブック等146の配信会社から電子書籍として配信されてます。どうぞよろしくお願い致します。
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