皆様お暑い中お疲れ様です🙇。
元JRA美浦トレーニングセンター調教助手のリーファです。
昨年の菊花賞馬アスクビクターモアが悲劇の急死となり。凄く悲しく残念です。
病名も熱中症による多臓器不全という事で、熱中症の怖さを改めて知ることになりました。
今回の熱中症と多臓器不全について少し書いて見たので良かったら読んで下さい。
【個人的な見解と意見】
先ず、多臓器不全を検索すると次のように書かれています。
・身体にとって重要な複数の臓器が障害されて働かなくなり、生命維持に重大な障害を及ぼす状態です。 最近、死因に多臓器不全と記載されることが多いですが、肝不全、腎不全、呼吸不全、心不全などを合併したときに用いられることが多いです。 狭い意味では、肝腎症候群など相互に関連している場合にのみ用いられる用語です。
競走馬だと過去にワグネリアンも多臓器不全で亡くなっています。ワグネリアンの場合は胆管に大きな胆石が詰まり多臓器不全になって、亡くなられた見たいです。
今回のアスクビクターモアの場合は熱中症からの多臓器不全なので、熱中症の影響で何かしらの臓器に障害が出て多臓器不全になったと思われます。
自分の経験上、熱中症になる馬はいましたが、熱中症で亡くなった馬は身近ではいなかったので何とも言えないですが、恐らく調教後に倒れたりフラフラしたりといつもとは違う感じだったのではないかと推測します。馬によっては調教直後は大丈夫だったが、時間が経ってから異常が出る馬もいるので異変に気づくのが遅れる場合もあると思います。先日、福島県で行われた相馬野馬追でも熱中症で馬2頭が死んだというニュースがありましたが、馬にとってはこの炎天下は物凄くツライもので体に負担が掛かります。また、暑さにも弱いですが、プラスα湿度が高いと余計に負担はかかると思います。
最近のブログにも書いたのですが、熱中症予防の一つとして調教後はクリーニングダウンよりも先に体全体に水をかけて体を冷やすのが効果的と言われています。正直トレセンの厩舎は調教後のクリーニングダウンの時間や質にこだわり過ぎていてクーリングダウンよりも先に水をかけてる厩舎は少ないような気はします。ただし、その他の熱中症対策は各厩舎で色々と工夫されていて、一昔前よりはかなり進化してると思います。
トレセンは夏の時間は馬場開場が5時で、暑くなる前に乗れるように工夫されていますが、全部の馬が5時に乗れないのが欠点です(人員的な関係)。折り返しの後半に乗る時間帯には日が昇っており、かなり暑い時間になるので正直後半に乗る馬には可哀想だなと思いながらいつも乗ってました。しかも、人間も暑い中乗るのでコロナの厳しい時期はマスクをして乗っていたので、かなり息苦しい中乗ってました。一つ光明は、来年度の夏の競馬は北海道以外は昼の時間帯はお休みして夕方から再開するとの事なので凄く良い事だと個人的には思います。
何れにせよ今回のアスクビクターモアの事故は痛ましく2度とあってはならない事故なので、柔軟な姿勢で色々と熱中症対策は考えて欲しいと思います。
皆様お疲れ様です🙇
元JRA美浦トレセン調教助手のリーファです🏇
今日は昨日のスキルヴィングの一件で心不全が話題になってるので心不全についてお話しようかと思います。ただ、病気の事よりも最近言われてる因果関係について個人的見解を述べたいと思います。

【心不全と飼い葉の関係性】について
今回のダービーでスキルヴィングがゴール後に倒れるという衝撃的なシーンがSNS上に流れ、驚かれた人も多いと思います。恐らくレース中のどこかで心不全を発症し本能でゴールまでは何とか走って来たのではないのかと推測します。その後ゴール過ぎでジョッキーが異変に気づき下馬した後に力尽きて倒れ、衝撃的なシーンになったと思います。しかもジョッキーが降りた瞬間に倒れたので、ある意味ジョッキーを自ら守った形にもなり、馬の事を思うと痛ましくてなりません。過去に僕のいた厩舎でも心不全を発症しレース中に倒れた馬もいました。その時はレース中だったのでジョッキーともども倒れ、馬は動かなくなりジョッキーもそのまま地面に叩きつけられ大怪我をしました。心不全や心房細動など心臓系の病気は前ぶれがなく突然発症するので本当にビックリします。言い方は悪いですが、今回はレース中に倒れるのではなくゴール後下馬した後だったのは不幸中の幸いだったと思います。しかも昨日は、気温も上昇して色々と体に負担が掛かったのも要因ではないかと思ってます。
心不全は心房細動とは違い心臓が正常に働かなくなり体に血液を送れなくなってしまう病気ですが、最近よく言われてるのが、飼い葉のカロリー高が原因ではないのかと言われています。ただ、最近の競走馬はカロリーが高い飼い葉を与えなければならない事情もあると個人的には思ってます。
僕が競馬場に入った30年前と今では明らかに馬の運動量が違います。前運動、馬場でのトレーニング、クーリングダウン等、厩舎によってはその他プールや午後運動などトータル的に時間をタップリと使い運動量を増やして鍛えています。昔は競走馬はただの競馬馬にしか過ぎなかったですが、今は完全なるアスリートとして扱ってるような気はします。昔のような飼い葉では今のトレーニング方法について行けなくなり体重もどんどんと減って体質強化になりません。もし、飼い葉と心不全の因果関係が本当にあるなら昔のような調教方と飼い葉に戻せば問題は解決すると思いますが、今のように日本馬が世界レベルで活躍する事はなくなると思います。勿論競走馬は生き物なのでそれだけが原因で心不全になるとは思わないですが、トレーニング方法が進化すれば食べる物も研究され良い物を与えるのが普通でありアスリートとしては当たり前の事だと思います。この先色々と研究されより良い飼い葉とトレーニング方法が編み出されて行けば今回みたいな事故は減る可能性は高い気はします。更にG1レースになると厩舎サイドも極限状態の仕上げをしてくるので馬への負担が大きくなるのは、現実問題あると思います。これからも競馬を見てると色々な場面に遭遇すると思いますが、常に競走馬はひたむきに走っている事だけは忘れないで欲しいと思います。
最後に一言。
厩務員さんや厩舎スタッフは年中付きっきりで担当馬を世話をし、苦楽を共にして競走馬と接しています。僕が今まで見て来た厩務員さんも自分の馬が予後不良になると涙を浮かべる人も多く愛馬心ある人が凄く多いです。今回のスキルヴィングの担当者さんも同じ心境だと思います。確かに競馬はギャンブルではありますが、走ってるのは生き物であり、世話をしてくれる人がいないと競馬も楽しめないと思います。馬券馬券と言ってる人にも今回の件をきっかけに、少しでも理解されると嬉しく思います。








