
皆様お暑い中お疲れ様です🙇
元JRA美浦トレーニングセンター調教助手のリーファです😊
この所連日の猛暑で夏バテの人も多いと思いますが、そこで今日は馬の熱中症について少しお話したいと思います。

【熱中症と多臓器不全】について
(主な夏バテの主な症状)
目の周りが黒くなって来る(目の周りの毛が抜けて来る)
牡馬は陰部の玉が腫れて来る
息づかいが普段から荒くなる
常に汗をかいてる
食欲不振
体温がいつもよりも高い
追い切りをしてもいつもより動かない
皮膚の乾燥(体温調節が上手く行かない)
など色々と夏バテの症状はありますが、夏に強い馬弱い馬は牡馬牝馬に関係なく起きりうる症状です。対策としては、朝の早い時間帯に調教出来ればかなりの夏バテや熱中症の予防になります。但し、厩舎の人員的な問題と調教のメニューの組み合わせ上全ての馬を開門と同時に乗る事は不可能なので暑い時間帯に調教をしなければならない馬は必ず出て来ます。
(主な厩舎での夏バテ、熱中症対策)
工業の大きい扇風機を使う(1頭の馬に何台も扇風機を使う)
飲み水に電解質を入れる
エアコンで厩舎の温度管理(エアコン入れてる厩舎はまだ少なめ)
よしずを屋外に立てる
ミストを厩舎内に付ける
厩舎の屋根に水をかける
朝夕と体に水を掛けて冷却
普段よりウォーミングアップとクーリングダウンの時間を減らすなど、色々と対策方法はありますが、より効果的と言われてるのが調教後直ぐに体全体的に水をかけて冷却し体温を下げるのが良いと言われています。実際の所は、クーリングダウンの時間にこだわり過ぎて調教後直ぐに冷却してる厩舎は少ないのが現状だと思います。又、調教後に栄養剤や生理食塩水を投与する馬も多いです。夏場に限っては思い切って、クーリングダウンは体全体を冷却した後にするようにした方が良いのではないかと個人的には思ってしまいます。あとは輸送する時間帯も難しい判断になります。新潟や福島に出発する時間は朝と昼の便があり、どちらかを選ぶかは厩舎に任せられています。朝の早い時間帯に出発する場合は輸送してる時間帯良いですが、着く時間が昼くらいなので物凄く暑い時間に着くので大変な場合があります。ただ、早く現地に着くのでゆっくりと出来るメリットもあります。逆に昼に出発する便は積む時間帯が物凄く暑く輸送してる時間帯も暑い時間になります。ただし、着く時間が夕方なので日中よりは気温が下がってる利点もあります。天気予報や気温の変化なども計算して輸送するので難しい判断が求められます。あとは飼い葉の食べ具合や環境への対応などで輸送する時間帯を決める事になるので輸送も熱中症予防のポイントの1つとなります。熱中症や夏バテの症状が出てしますと、確実にパフォーマンスは低下し、本来の実力を発揮できるまでには、休養が必要になります。下手すると熱中症が原因でそのまま成績不振が続く場合もあります。何れにせよ夏場の調整は凄く難しく、人馬ともに大変な時期であります。
【個人的な見解と意見】
菊花賞馬アスクビクターモアが悲劇の急死となり。凄く悲しく残念です。
病名も熱中症による多臓器不全という事で、熱中症の怖さを改めて知ることになりました。
今回の熱中症と多臓器不全について少し書いて見たので良かったら読んで下さい。
先ず、多臓器不全を検索すると次のように書かれています。
・身体にとって重要な複数の臓器が障害されて働かなくなり、生命維持に重大な障害を及ぼす状態です。 最近、死因に多臓器不全と記載されることが多いですが、肝不全、腎不全、呼吸不全、心不全などを合併したときに用いられることが多いです。 狭い意味では、肝腎症候群など相互に関連している場合にのみ用いられる用語です。
競走馬だと過去にワグネリアンも多臓器不全で亡くなっています。ワグネリアンの場合は胆管に大きな胆石が詰まり多臓器不全になって、亡くなられた見たいです。
今回のアスクビクターモアの場合は熱中症からの多臓器不全なので、熱中症の影響で何かしらの臓器に障害が出て多臓器不全になったと思われます。
自分の経験上、熱中症になる馬はいましたが、熱中症で亡くなった馬は身近ではいなかったので何とも言えないですが、恐らく調教後に倒れたりフラフラしたりといつもとは違う感じだったのではないかと推測します。馬によっては調教直後は大丈夫だったが、時間が経ってから異常が出る馬もいるので異変に気づくのが遅れる場合もあると思います。先日、福島県で行われた相馬野馬追でも熱中症で馬2頭が死んだというニュースがありましたが、馬にとってはこの炎天下は物凄くツライもので体に負担が掛かります。また、暑さにも弱いですが、プラスα湿度が高いと余計に負担はかかると思います。
最近のブログにも書いたのですが、熱中症予防の一つとして調教後はクリーニングダウンよりも先に体全体に水をかけて体を冷やすのが効果的と言われています。正直トレセンの厩舎は調教後のクリーニングダウンの時間や質にこだわり過ぎていてクーリングダウンよりも先に水をかけてる厩舎は少ないような気はします。ただし、その他の熱中症対策は各厩舎で色々と工夫されていて、一昔前よりはかなり進化してると思います。
トレセンは夏の時間は馬場開場が5時で、暑くなる前に乗れるように工夫されていますが、全部の馬が5時に乗れないのが欠点です(人員的な関係)。折り返しの後半に乗る時間帯には日が昇っており、かなり暑い時間になるので正直後半に乗る馬には可哀想だなと思いながらいつも乗ってました。しかも、人間も暑い中乗るのでコロナの厳しい時期はマスクをして乗っていたので、かなり息苦しい中乗ってました。一つ光明は、来年度の夏の競馬は北海道以外は昼の時間帯はお休みして夕方から再開するとの事なので凄く良い事だと個人的には思います。
何れにせよ今回のアスクビクターモアの事故は痛ましく2度とあってはならない事故なので、柔軟な姿勢で色々と熱中症対策は考えて欲しいと思います。








